米トランプ大統領、カナダに100%の関税と警告…中国との貿易協定めぐり

ドナルド・トランプ米大統領がカナダに対して発した「100%の関税」という極めて強い警告は、北米の経済秩序を揺るがす大きな事態となっています。
この警告の背景には、カナダが独自に進めている対中政策と、トランプ政権が掲げる「米国第一主義」との激しい対立があります。詳細を分かりやすく解説します。

  1. 警告の直接的な理由:カナダの「対中接近」
    トランプ氏が激怒している最大の理由は、カナダのマーク・カーニー首相(2026年時点の設定)が中国との間で新たな経済協力の道を探っていることです。
  • 経緯: カナダは最近、中国との間で、カナダ産の農産物の輸出拡大や、中国製電気自動車(EV)の輸入制限緩和を含む貿易調整を行いました。
  • トランプ氏の主張: トランプ氏は、カナダが中国と貿易協定を結べば、カナダが「中国製品が米国へ流入するための抜け穴(経由地)」になると主張しています。「中国はカナダを丸呑みにし、カナダの企業や社会を破壊するだろう」と非常に攻撃的な言葉で非難しました。
  1. 「100%関税」という脅しの意味
    通常、貿易における関税は数%〜25%程度ですが、「100%」というのは事実上の「禁輸(輸入停止)」に近い強力な制裁を意味します。
  • 対象: カナダから米国に輸出されるすべての製品。
  • 影響: カナダにとって米国は最大の輸出先(輸出全体の約7割以上)であり、もし発動されればカナダ経済は壊滅的な打撃を受けます。これは、カナダに中国との関係を完全に断ち切らせるための究極の圧力(ディール)と言えます。
  1. 背後にある政治的な対立
    この問題は単なる貿易だけでなく、指導者間の個人的・政治的な確執も深く関わっています。
  • グリーンランド問題と「第51番目の州」: トランプ氏が進める「グリーンランド買収構想」に対し、カナダが反対姿勢を示したことで関係がさらに悪化。トランプ氏は嫌がらせ的に「カナダは米国の51番目の州になればいい」といった発言を繰り返しています。
  • カーニー首相の反論: カーニー首相は「カナダは米国の属国ではない。自らの道を切り開く」と主張し、トランプ氏の覇権主義に対抗する姿勢を見せています。
  1. 今後の注目ポイント
  • USMCA(米・墨・加協定)の再交渉: 北米の自由貿易協定であるUSMCAは近く見直し時期を迎えます。トランプ氏はこれを機に、カナダに対して「中国を取るか、米国を取るか」の二者択一を迫る構えです。
  • 世界経済への影響: もし世界最大の貿易相手国の一つである米加間で100%の関税が発動されれば、自動車産業やエネルギー資源のサプライチェーンが寸断され、日本を含む世界経済に甚大な悪影響が及ぶことは避けられません。
    まとめると:
    トランプ氏は、カナダが中国と手を組むことで、米国の対中包囲網が崩れることを極端に恐れています。今回の「100%関税」という警告は、カナダを再び米国の影響力の下に引き戻し、中国を北米から完全に排除するための「脅し」であると言えます。